1年の終わりである12月31日は大晦日(おおみそか)と呼ばれています。
この日は家族や友人、恋人などごく身近な人と、温かな家にこもってのんびり過ごすというのが一般的です。
大晦日の「晦日」とは月末のことをいいます。
「みそか」という言葉は、月の30番目の「三十日」に由来します。
実際の日付に関係なく月の最終日を意味しています。
12月31日は1年の最後の月の最終日であることから、「大晦日」となりました。
古来、お正月には新年の神様である「年神様(としがみさま)」がやってくるとされ、年神様をお迎えするために様々な行事が形成されていきました。
そのため、大晦日は寝ずに年神様を待つという習わしがあります。
除夜の鐘
除夜の鐘は大晦日にお寺でつく鐘の音であり、大晦日の夜から年明けまで、日付をまたいで行われます。
除夜の鐘は煩悩の数と同じ108回鳴らされるというのは有名な話です。
仏教の教えに従って煩悩を払うために108回鳴らされるという説や、
「四苦八苦」を数式にあてはめて4×9、8×9を足した108に合わせているという説があります。
除夜の鐘の「除」には、古きを捨て新しきを迎えるという意味があります。
1年の終わりを告げて新年を迎えることを知らせる鐘が除夜の鐘です。
皆で楽しむならカウントダウンイベント
仲のよいグループなど、大勢で楽しむのなら、カウントダウンイベントに参加するのもおすすめです。
カウントダウンイベントは1年のうちでも大晦日の夜しか開催されないため、特別感があります。
コロナ禍の影響で、今年はオンラインイベントも色々あるようです。
年内最後に氏神様へ詣でる
年の締めくくりとして大晦日に「年末詣(ねんまつもうで)」に行くのもおすすめです。
年末詣は1年の無事を感謝するのが主な目的ですが、初詣のように新年の願い事を祈ってもOK!!
年末は神仏のパワーが最も強まる時期とされ、お参りをした人にも大きなご利益があるといわれています。
新年に向けて清められた、清廉な雰囲気の中でお参りできるのも魅力です。
また、年をまたいでお参りすることを「二年参り」といい、ご利益が2倍になるともいわれています。
このため2日や3日に初詣に行くよりは、大晦日から元旦にかけて行く方がお得気分を味わえるかもしれません。
ただし有名な神社仏閣では、相当な混雑が予想されます。
密を避けたい方は大晦日の昼間に地元の氏神様に「年末詣」をするのも〇。
開運につながる過ごし方
大晦日は1年を締めくくると同時に、新しい年がよい1年になるように祈る日でもあります。
開運につながる大晦日の過ごし方とは?
年越しそばは年が明ける前に食べ終わる
大晦日に年越しそばを食べる習慣は、江戸時代から続いています。
そばは栄養が豊富なだけでなく、とても縁起がよい食べ物です。
切れやすいことから「厄を断ち切る」
細長い形から「長生き」
金粉の掃除に使われていたことから「金運アップ」
など、さまざまなご利益があるとされています。
ただし年越しそばのご利益は、年が明けると失われてしまうといわれています。
「年越し」という言葉から、年明けの時間に合わせて食べるものと誤解されやすいですが、
開運を願うなら年が明ける前に食べ終わるようにしましょう。
門松、鏡餅など正月飾りを。縁起の悪い日は避けましょう
大掃除が終わったら、鏡餅や門松、しめ縄などの正月飾りを飾ります。
正月飾りは末広がりの「八」がつく28日や、キリのよい30日に出すとよいとされています。
一方で、「苦」を連想させる29日と、お葬式と同じ「一夜飾り」になる大晦日は縁起が悪いとされ、正月飾りを出せません。
遅くとも30日には飾れるように用意しておきましょう。
日本人にとって大晦日は、歳神様をお迎えする大切な日でした。
何日も前から家を掃除し飾り付けをして、神様の来訪を心待ちにしていたのです。
大晦日の過ごし方は、時代とともに多様化しています。
しかし現代でも、大晦日が1年を締めくくる特別な日ということに変わりはありません。
伝統をほどよく取り入れつつ、よい新年を迎えられるよう大切な人と穏やかな気持ちで楽しみましょう。